1−3 情報源

参考に出来るすべての情報源について論じたり、リストアップすることは不可能。
この章では、重要な情報源について触れ、批判的な観点から検討する。
また、特殊な情報源やその利便性などについても例を挙げて検討する。

求める情報 ①検討する特別な問題 ②当該企業 ③当該産業――などに関するもの。

企業に関する情報

  • 株主向け報告書……統計データの主な情報源。発表の頻度や範囲は企業によって違う。

月間統計、四半期報告、半期報告、年次報告

  • P/L……P/Lの売上高、(以下の項目を控除前の)純利益、減価償却費、支払利息、営業収益、支払い所得税、支払い配当額、剰余金修正額などの統計が盛り込まれていなければ、けして完全なものとはいえない。情報が少なくて業績分析が難しくなるのは問題。完璧とまではいかないまでも、十分に判断できる程度の「ほどほどの完璧さ」は必要。
  • B/S……現代ではありえなさすぎることばかりかいてある。ありそうなのだと、さまざまな名称をつけた準備金を計上する、とか。
  • 公的機関に提出される定期報告……公益事業会社は国なんかに情報提供を義務付けられていたりするらしい。しかも株主向け情報より詳しく載ってるんだって。
  • 上場申請書類……不定期にしか手に入らないけど、最も重要な情報源の一つ。上場の条件として証券取引所が提出を義務付けている報告書。株主向け情報よりかなり詳細で、しかも保有資産や採用した会計方式、契約条件など貴重な情報も盛り込まれている。
  • 登録届出書と目論見書……新規上場に際して、どこぞの委員会に詳細な届出書出すのが義務になってる。それを閲覧する。
  • 各種の公式報告書……各種の公式報告書からも各企業に関する貴重な情報を入手することができる。例だと石炭委員会とやらの報告書に、それまでには明らかにされなかった各社の詳細な財務・営業情報が盛り込まれていたり。
  • 統計・財務刊行物……各種統計サービス。定期刊行物に盛り込まれる包括的な情報、頻繁に更新される詳細な株式・債権情報、毎日提供される各企業のニュース・ダイジェストなど。オリジナルな情報源から得られたものではないものもあり、全面的に信頼できない部分もある。
  • 企業から直接入手する情報……株主は会社のオーナーであり、企業の完璧な情報を入手する権利がある。


産業に関する情報
統計データを提供しているサービスや業界紙から情報が手に入る。
定期的に多くの重要な要約統計が公表されるほか、各産業の現在と将来の業績に関する継続的なデータなど、産業の歴史やさまざまな問題点について、背景情報をそれほど苦労せず入手できる。